あけぼの産業が曳家した大倉集古館が耐震改修優秀賞を受賞
大倉集古館
日本建築防災協会は2020年度(第10回)「耐震改修優秀建築・貢献者表彰」の審査結果を発表しました。受賞した11件のひとつに大倉集古館:耐震改修関係者(公財)大倉文化財団、(株)谷口建築設計研究所、大成建設(株)一級建築士事務所、(株)森村設計、大成建設(株)東京支店、(株)あけぼの産業が受賞しました。
審査評は次の通りです。
「本施設は大正6年に創立されたわが国最初の私立美術館で、関東大震災で大破し、同時に陳列中の所蔵品を失った。現建物は昭和2年に伊東忠太の設計で再建されたもので、大陸的外観と内部の柱頭や天井、階段等にそれらしい意匠が豊かにほどこされていて、今回の改修でも慎重に手を加え保全されている。
耐震改修では1階周りに増築されていた事務室と収蔵庫を撤去し、地上の姿を原設計に戻すと共に、撤去した機能を地下1層の増築で充実させ、建物、収蔵品・陳列品さらに来館者の安全安心を図るため、増築地下基礎部に免震構造を採用したものである。地下階増築に先行して回転を伴う曳家工 事が行われ、慎重な段取りで工事が進められている。
地下基礎部免震構造のため、既存の1階柱脚・基礎部と増築地下1階柱頭部の緊結が重要であるが、相当な補強鉄筋とコンクリート増し打ちにより一体化が図られている。
なお本免震改修は建物に加わる地震力を極力小さく抑えるため、長い免震周期を設定し、低摩擦タイプのすべり支承を多用しているところに特徴がある。
建物既存部および収蔵や陳列方法に耐震補強をしない改修の好例であり、耐震改修優秀建築賞を受けるに値する。(建築家 三井所清典)」
※日本建築防災協会HPより
耐震改修優秀建築賞
建築物名称 大倉集古館
建設地 東京都港区虎ノ門二丁目
構造規模 鉄筋コンクリート造 地上2階・地下1階
耐震改修工事竣工年月 2019年(令和元年)7月
竣工年月 1927年(昭和2年)11月
耐震改修関係者(公財)大倉文化財団、(株)谷口建築設計研究所、
大成建設(株)一級建築士事務所、(株)森村設計、
大成建設(株)東京支店、(株)あけぼの産業
詳しくは(一財)日本建築防災協会ホームページをご覧ください。
日刊建設工業新聞より(クリックで拡大)
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